香川県公立高校入試問題分析 【数学】
2016年03月10日
「2016年度香川県公立高校入試問題」の出題分析です。今日は、数学です。
問1 計算問題で易しいが、(4)の分数の割り算でミスしやすい。(5)の因数分解は、2回因数分解するパターン。いずれも計算ミスに注意すべき出題。 (7)は、最初から b= とするのはミスしやすいので、 ますa= の等式を作ってから、等式変形する。
問2 (1)の角度、(2)の三平方は、標準的問題。毎年、(2)では、三平方の定理を用いた問題が出題される。(3)は、難。ここで時間を使ってしまった受験生は、この後の問題で時間不足になったと思われる。Dから補助線を引けるかどうかが、ポイント。与えられている条件(この問題の場合は、比)をいかに使うかを考えないと、やみくもに考えたのでは、正解にたどり着けない。面積比を考えさせる問題であるが、解けた受験生は少なかったのではないか。解くのを飛ばしてもいい問題。
問3 (1)の平方根、(2)の確率は、標準的出題。じっくり数えればできる。ミスしないことが大切。
(3)のアはへ平易。イは、線分の比を、相似比に考えなおして、さらにそれを平行に移動させて、y座標の比に持っていくとすぐに解ける。多少難しい。
(4)は連立方程式の文章題。基本的出題。
問4 (1)ア は、平易。教科書レベル。 イは、x= の式に直して考えるが、つい n=180 と答えてしまうかもしれない。見た目では約分できる最大のnは180だが、n-2 の方も約分できる可能性があるので、そちらも考える必要がある。どうしていいか分からない受験生もいたのではないだろうか? 多少難。
(2)は、動点問題。アは具体的な場面を想定すれば、解ける。
イは、なぜx=12のところで、場合分けがされているかに気がつけば、場合分けされたそれぞれの場合で、図形Sの形が違うことが分かるはず。0≦x≦12 の場合には、図形Sは、三角形になる。ただし、二等辺三角形にはならないので、高さを求める際に間違った受験生がいたのではないだろうか? 12≦x≦25の場合の台形の上底の長さを求めることができれば、すぐに答が出る。多少難。
ウは、イが解けていることが前提問題。立式自体は簡単なので、イが解けていれば正解に結びつく。
問5 (1)の証明は平易。教科書レベル。
(2)の証明は、OとFを結ぶことに気づけるかがまずポイント。一度、他の三角形の合同を証明し、新たな条件を導き出した上で、証明を進めていくので難しい。OC//GF という条件が与えられているから、「同位角・錯角が等しい」⇒「OG、GFに関係のある同位角、錯角の関係を探す」⇒「OとFを結んで、等しい同位角・錯角を作る」という思考ができれば、正解にたどり着く。残された時間がわずかな状態で、そこまで考えることができた受験生は少なかったのではないか? 合否には関係ないものと思われる。
(全体) 基礎・標準的な問題と、応用・発展的問題との難易レベル差が大きい。35点分は、基礎・標準的な問題なので、得点することは容易と思われるが、それ以上の積み上げは厳しかったかもしれない。時間配分を考え、取捨選択しながら解ける問題を確実に解くことが必要である。