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履修単位不足問題

2006年10月25日

 「授業日誌」の内容からは外れるけれど、昨日から問題となっている「履修単位不足」問題のことも書こうと思う。

 「世界史必修」となったのは、10数年前だろう。私が現役高校生のときは、そんな制度はなかった。受験に必要なものを学習していた。「世界史必修」としたのは分からないでもないが、「世界史」を学ぶ前に学ぶべきことがある。

 それは、中学校での「世界地理」である。「世界史必修化」とほぼ同じ時期に、中学校の地理の教科書の「世界地理」の内容は選択履修となったはずだ。「フランス」「アメリカ」「オーストラリア」「ブラジル」などから、学校単位で、履修する国を決めて履修していた。当然学校ごとに習う国が違うことが多いので、入試にも出題することが難しい。

 (何年か前には、香川県公立高校の入試問題に選択履修範囲の問題が出題されて、採点対象から除外されたか、全員正解となったのである)

 授業時間数が少なくなったから、選択履修になったのであろうが、世界の国々のことを知らない生徒は増えた。例えば、国の名前を言っても、その位置を知らない。なのに、「世界史必修」。やはり、地理的な内容を先に知識として頭に入れる必要があると思う。

 今回の問題も、結局は「週5日制」に起因しているのだと思う。国公立大学受験を考えると、「週5日制」は厳しい。放課後の補習や土曜日の補講、夏休み等の補講を入れないと、合格学力は身につかない。
私立進学校の多くが「週6日制」としているように、公立高でも「週6日制」を復活させてもいいのではないかと考える。

 (実際、「土曜開放」「土曜講座」等の名称で、希望者は学校で勉強しているのだから、実質は変わらない)

 今回の問題での被害者は「生徒」である。入試が近づいているのに、(入試に不要な科目の)単位をとるために授業を受けなければならない。学校側は、生徒に配慮してやったことだと思うので、私は批判するつもりはない。問題は、教育行政である。「世界史必修」は、諸外国に向けてのアピールかもしれないと思うが、指導現場の実情をもっと考慮すべきだろう。

 現時点でも報道によれば、1万人以上の生徒がこの問題に関係しているようだ。まだまだ増えそうな予感がする。


 

 



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